光害カット (CLS)フィルター VS. デュアルバンドフィルター:効果的な選び方と使い方
光害の影響を受ける地域にお住いのユーザーにとって、天体写真撮影の経験レベルに関わらず、光害カット (CLS)フィルターやデュアルバンドフィルターをいつ、どのように使用すれば、Vesperaシリーズで最大限の効果を引き出すことができるかを知っておくことは大きな価値があります。
この記事では、CLSフィルターとデュアルバンドフィルターの違い、理想的な使用例、そして観測セッションを最大限に活用するためのヒントをご紹介します。
光害カット(CLS)フィルター
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どんな働きをするのか?
光害カットフィルターは「CLSフィルター」とも呼ばれます。「CLS」とは 「City Light Suppression = 都市照明抑制)」を略したものです。CLSフィルターは、光害によって夜空に照らされている光全般を抑えるために設計された広帯域フィルターで、特に都市部や郊外の環境で役立ちます。
使用すべき場合
光害のある場所から観測する場合(Bortleスケール6以上)
都市の照明によって照らされた夜空の光を抑えたい場合
銀河、星団、星雲など一般的なディープスカイオブジェクトを観測する場合
使用すべきでない場合
CLSフィルターは可視光線の波長の一部を減光するため、特に銀河などの天体の明るさを低下させる可能性があります。空が比較的暗い場合(Bortleスケール5以下)は使用を避けましょう。
デュアルバンドフィルター
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どんな働きをするのか?
特定の2つの輝線の光だけを通すナローバンド (狭帯域)フィルターです:
OIII線 - 500.7 nm
Hα線 - 656.3 nm
上記以外の波長のほとんどを遮断するため、輝線星雲を劇的に際立たせることができます。
使用すべき場合
北アメリカ星雲、ばら星雲、ハート星雲などの輝線星雲を狙う場合
光害の著しい場所から撮影する場合 - CLSフィルターよりも優れた性能を発揮します。
使用すべきでない場合
銀河、星団、反射星雲の観測には適していません。
三裂星雲など、輝線星雲と反射星雲が混ざり合っている星雲では、特に反射星雲の領域でシグナルの一部を失ってしまいます。
フィルター使用のヒント
フィルターの装着
フィルターは初期化の前でも後でも取り付けられます。
ただし、観測セッション中にフィルターを取り外したり交換したりすることは避けてください。
初期化に失敗する場合
デュアルバンドフィルターを装着した場合、星の少ない地域では初期化プロセスでのプレートソルビングが困難になる場合があります。初期化に失敗した場合は、フィルターなしで再度初期化をお試しください。
最後に:どのフィルターを使うべきか?
ターゲットの種類 | 適切なフィルター |
輝線星雲 | デュアルバンドフィルター |
銀河&星団 | 光害カット (CLS)フィルター |
輝線星雲と反射星雲が混合する星雲 | 注意して使用する |
それぞれのフィルターには特定の役割があり、適切なターゲットに適切なフィルターを使用することで、特に光害のある夜空において、観測や撮影の結果を大幅に向上させることができます。